フェンスねこの始まり

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ありふれた光景ではあったけれど、
しばらくの間、通りかかるたびに気になっていました。
おばちゃんがフェンスの隙間に何かを差し入れると、
ねこたちがコロコロと隙間から出てくるのでした。

酔って虐待をする人もいたようです。
フェンスの中には人が入れないから、
避妊去勢手術のためにねこを捕獲することも、
ゴミや糞などの清掃をすることもできません。
そもそも廃墟のような場所で外はフェンスで覆われているから、
ねこがいることすら知らない人が多かったかもしれません。
ねこはどんどん、増えました。
ねこのせいで困ってる、という人が出てきました。

ねこのせいではなく、人間の問題なのだということを、
餌をあげている人、苦情を言う人、見てるだけの人・・・
ここは一旦、みんなで考える必要がありました。
そんな時、ねこたちがフェンスから飛び出し、
無邪気にブルドーザーに乗って遊ぶのを見て、
これはいけない、と思いました。
フェンス横が工事が入った春分の頃のことです。
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聞けば、この土地は大阪市建設局の管理地だということでした。
大阪市には「街ねこ制度」や「公園ねこサポーター制度」がありますが、
通りがかりの私も、そのことについて、それまで何も知りませんでした。
だけど、問題なのは、この場所は大阪市建設局の土地で、
建設局の土地でのサポーター制度はなかったことです。
ねこは街を行き来するけど、制度は土地ごとに違う。
なんとかしたいと考えている人も容易には見つからない。
状況は悪くなるばかりのように見えました。

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このねこたちのことを、誰かが「フェンスねこ」と呼ぶようになりました。
強固なフェンスの向こうにいるから「フェンスねこ」。
フェンスねこをブログに取り上げてくださる方、
この問題について考えて欲しいと大阪市に要望してくださる方、
フェンスねこのことを心配してくださる方たちが現れました。

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6月になり、夏至の前、動きがありました。
「公園ねこサポーター」を担当する、大阪市ゆとりとみどり振興局、
土地を管理する大阪市建設局の理解と協力を得て、
「公園ねこサポーター」として、フェンス内での活動が認められました。
もちろん、ネットなどでの多くの方の応援も大きかったと思いますが、
ねこの問題を大きな問題として真剣に捉え、熱意を持って動いていただいた
大阪市の方の意志や実行力がなければ、何も、始まりませんでした。

ただし活動が許されるのは、公共工事が始まるまでの間。
誰にも、どうしようもできない現実が待っています。
ねこたちは、おそらく、何も知りません。
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